移住者インタビュー(3)~いつかは郊外で、モノ作りをしたい~(1)

プロフィール

移住者松屋さんの写真

氏名:松谷保宣さん

道東への移住を長い間考えており、平成20年7月、町の「移住体験ツアー」に参加。今年1月に横浜市から移住。いずれは郊外に住みたいとの夢を持っている。

北海道へのあこがれ~自分の中のバックグラウンド~

 北海道にひかれるようになったのは、いつのころからでしょうか。父は敗戦後、歌志内炭坑にいたことがあるそうで、そのころの思い出話をよく聞かされました。また昔好きだったテレビドラマに、北海道を舞台にした、映画で言うロードムービー風のものがありました。ほかに、大学の同級生に帯広の牧場の息子がいたり…。そういったもろもろがあって、北海道へのあこがれが募っていった気がします。

 大学を卒業後、家業を継ぐため、とある会社で修行をしていました。2年間の修行を終え、岡山の実家に戻ることになったとき、この先もう二度と田舎から出られないような気がしました。それで、しばらく好きなところへ行かせてくれと両親に頼み込み、北海道へと向かいました。キャンプをしながら道内を半年かけて巡りました。

 1985(昭和60)年のことです。そのとき弟子屈の市街地にも行きましたが、町中は栄えているなという印象を持ちました。弟子屈の市街地を訪れたのはこのときだけ。その後、弟子屈を訪れたときは、屈斜路など郊外に行っていましたね。いつ雪が降ってもおかしくない季節を迎え、キャンプ生活も難しくなって実家に帰りました。家業に携わり、その後別の会社に就職しましたが、休暇を利用してはよく北海道を訪れていました。こうして北海道に親しんでいくうちに「旅行先」から「いつか住んでみたい場所」に変わっていった気がします。

思いを募らせた日々~いつかは北海道で暮らしたい~

 こちらに来る前は、横浜の製造関係の会社で技術者をしていました。ここ15年ほどずっと、北海道に住みたいと考えていましたが、仕事も面白く、会社を辞めて移住することに踏み切れずにいました。移住後の生活の理想型が、自分の中で完全に出来上がっていたことも、移住に踏み出せずにいた要因かもしれません。自然豊かな郊外に一軒家と作業場を建てて、好きなモノ作りをしながら暮らす…。そういった最終的な理想型が出来上がってしまっていたため、逆にそこまで一足飛びには行けないだろうというあきらめもありました。

 そんな中、知人から「まずは北海道に行ってみてはどうか。最終的な理想型まで一気に行けなくても、現地でステップバイステップで理想の暮らしに近づけていけばいいのではないか。今の暮らしもふわふわしていて、尻がついていない」とアドバイスされたんです。その声に後押しされるように、北海道への移住を真剣に考え始めました。

 最初は道東全般を視野に入れていました。その中で弟子屈がよかったのは、素晴らしい自然に囲まれているのはもちろん、町民の皆さんの人柄がよかったからです。弟子屈は観光地のせいか、よそ者がうろうろしていることに慣れていますよね。北海道は本州に比べてオープンですが、中でも弟子屈はよそから来た者に対して親切な感じがしました。インターネットで調べていくうちに、弟子屈町の郊外の中古物件を見つけました。

 また町のホームページから「移住体験ツアー」のことを知り、物件を見に行くついでに参加してみようと思いました。その物件には縁がなかったのですが、賃貸住宅を借りられることになり、今年の1月に移住してきました。ツアー参加から半年での移住に驚かれますが、ツアー参加後に移住される皆さんは、往々にしてそうだと思いますよ。長い間北海道に住みたいと考えていて、最終確認でツアーに参加される方が多いと思いますから。

自給自足とモノ作り~これからの弟子屈での暮らし

 北海道は冬が好きです。夏の北海道にはよく来ていたのですが、冬に忙しい仕事だったため、なかなか冬には来られませんでした。今こうして、冬に北海道での生活を始めたことに喜びを感じています。いずれはやはり、郊外に家と作業場を建てて暮らしたい、畑作りもしたいという思いがあります。ここ2?3年のうちに実現させたいですね。

 仕事は現在、以前の職場の外注先という立場になり、図面描きや技術サポートなどをしています。そういったこともあって、インターネット環境のいい市街地に住み始めましたが、いつかは郊外で、モノ作りをしたいです。移住後の仕事が心配、仕事がないから起業したいという方のために、ブロードバンド環境の整った貸しスペースのようなものがあればいいと思います。わたしのように、固まった理想型に、現地に行ってから近づこうとする移住希望者の大きな支えになると思います。

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更新日:2021年07月14日