弟子屈町「鐺別」地域の歴史

この記事では、弟子屈町「鐺別」地域の歴史を解説します。鐺別は現在RECAMP摩周がある旧桜ヶ丘森林公園オートキャンプ場周辺のエリアです。

鐺別温泉で栄えた地域

鐺別神社

高浜虚子の句碑

【1】鐺別地域への入植

現在、RECAMP摩周が経営している旧桜ヶ丘森林公園オートキャンプ場。この公園から鐺別神社に行くことができます。かつてこの周辺には旅館が建ち並び鐺別温泉として栄えました。鐺別の歴史は古く,明治32年(1899)第一次移民の富山県射水郡29戸が開拓し,この中の青木元右衛門が温泉宿を始めました。

【2】当別温泉の系譜

鐺別温泉の起源は諸説あり,明治17年(1884)には氏名不詳の人がおり,青木氏入植時(1899)には斎藤玉造という人がいてアイヌが湯治をしていた伝承があります。しかし青木氏以前は弟子屈からの道もはっきりしない藪の中の温泉でした。温泉の系譜は近年まで続き鐺別神社の麓には亀乃湯がありましたが,2022年に閉鎖しました。

【3】町指定文化財「鐺別の獅子舞」

鐺別の入植者たちは故郷富山の獅子舞を弟子屈神社で行うようになります。これは現在町の無形文化財に指定されています。この獅子舞とゆかり深いのが鐺別神社であり,故郷富山を偲ぶとともに鐺別温泉の守護神となります。

【4】鐺別と高浜虚子

鐺別神社には高浜虚子や木下春影の句碑があります。高浜虚子の句碑には「澤水の川となりゆく蕗の中」とあり,昭和8年,鐺別温泉滞在時に鐺別川を散策して詠んだと伝えられています。この句碑は当時青木旅館の番頭で,後に聖林荘として独立した渡辺隆一氏が建立しました。鐺別神社はかつて鐺別温泉が繁栄した様子を現在に伝えてるのです。
 

鐺別の獅子舞1

鐺別の獅子舞2

かつて繁栄した鐺別地域の温泉宿

参考文献

更科源藏編『弟子屈町史』弟子屈町役場、1949
弟子屈町史編さん委員会編『弟子屈町史』弟子屈町役場、1981
弟子屈町商工会編『弟子屈町商工のあゆみ』弟子屈町商工会、1981
弟子屈町編『弟子屈町100年記念「風・人・大地」』弟子屈町、2004
『広報てしかが』平成23年11月号、弟子屈町、2011

この記事に関するお問い合わせ先
弟子屈町教育委員会 社会教育課

〒088-3211
北海道川上郡弟子屈町中央2丁目3番2号
電話番号:015-482-2948 ファクス:015-482-2343

更新日:2023年09月08日